炭水化物抜きダイエットとは?
炭水化物抜きダイエットとは、炭水化物を多く含む食べ物を避けるダイエット方法です。
炭水化物は主食である米(ごはん)・小麦(麺類、パン)、イモ類などに多く含まれており、体を動かす主要なエネルギー源となります。
また、炭水化物が分解されて作られるブドウ糖は脳の唯一の栄養源となるため、私たちが日々元気に活動するためには必要不可欠な栄養素です。
しかし、余分な炭水化物は最終的に中性脂肪となって体内に蓄積され、肥満などの原因となります。
逆に炭水化物の量を減らすとエネルギー不足を補うために、中性脂肪を分解してエネルギーに変換しようとします。
そのため、炭水化物の摂取を抑えることで減量が期待できます。
効果的な方法ついて
炭水化物ダイエットをを行う上でおすすめの方法は、夜ご飯のみ炭水化物を減らすことです。
夜ご飯の主食(ご飯・麺類など)は、半量にするか完全に抜いてしまいましょう。
その理由は次の3つです。
- 寝る前の食事は脂肪をため込みやすい
- 夜ご飯はカロリー摂取が過剰になりがち
- 食べたエネルギーを消費できない
夜遅い時間は体に脂肪をため込む物質が多く分泌されるため、日中に比べて食事が体内に脂肪として蓄積しやすくなります。
また、夜ご飯は一日の中でも特に食べる量が多い傾向にあります。
そして、夜ご飯を食べた後はもう寝るだけ、という方が多いと思いますので日中の食事より食べた分のカロリーをあまり消費できません。
このような理由から、3食の中で炭水化物を抜くとすれば夜ご飯がおすすめです。
危険性・デメリットについて
この炭水化物ダイエットは間違った方法で行うと不健康な痩せ方をしたり、かえって太ってしまう原因となります。
最も意識することは炭水化物を必要以上に制限させないことです。
もし、必要以上に制限してしまうと、次のような危険性があります。
- 日中の活力が湧かない(疲れやすい)
- 集中力が切れやすい
- 脂質や塩分の過剰摂取
- 便秘がちになる
先ほどもお伝えしたように、炭水化物の体の中での働きは身体活動のエネルギー源です。
また、脳のように一部の臓器では糖しかエネルギー源として使うことができません。
この栄養素が不足するということは単純に動くための燃料が切れている状態なので、活力が湧きにくくなったり、集中力が切れやすい状態に陥りやすくなります。
また、炭水化物ダイエットを行う中で意外と見落としがちな点は、主食を減らした分、おかずの量をやしてしまうことです。
おかずはメニューにもよりますが、脂質や塩分の過剰摂取につながる場合があります。脂質は炭水化物よりもカロリーが高いため、せっかく炭水化物を減らしても意味がありません。
例えば、ハンバーグ(100g)+白ご飯(小盛1杯:120g)を夜ご飯とします。
この場合のカロリーはハンバーグ(約440kcal)+白ご飯(約200kcal)で合計640kcalです。
ここで白ご飯を全部抜いた分、ハンバーグを少し大きくして1.5倍の量にするとします。
この場合のハンバーグのカロリーは(約660kcal)となってしまい、これだとせっかく白ご飯を抜いたのにかえってカロリーオーバーになります。
実際の栄養指導でもご飯を減らした分、気づかないうちにおかずや間食の量が増えている患者さんがよくいるので、陥りやすい罠です。
また、炭水化物抜きダイエットで食物繊維が不足しがちになるのは意外に知られていません。この食物繊維が不足すると便秘がちになることもあります。
炭水化物とは厳密にいうと糖質+食物繊維の総称です。よって、食べる量を減らすことで、糖質だけでなく食物繊維の量も減ってしまい、便秘につながってしまうのです。
便秘を回避するためにも食物繊維が多く含まれている野菜類やキノコ類などのおかずを一品増やすなどして、できるだけ食物繊維を確保するようにしましょう。
また、食物繊維が多く含まれている炭水化物を取り入れるのもおすすめです。
例えば白米より玄米、普通の食パンより全粒粉のパンなどは食物繊維が多く含まれているので、便秘改善はもちろん、血糖値の上昇を穏やかにしたり、コレステロールの吸収を抑制してくれる働きが期待できるのでとてもおすすめです!
まとめ
炭水化物抜きダイエットは効果が現れやすく手軽に行えるダイエットではあります。
しかし、一歩間違った方法を続けていると、危険な方法になったり逆に失敗してしまう可能性があるということはおわかりいただけましたか?
ダイエットすべてに共通することですが、短期間で一気に減量ということはあまりお勧めしません。
小さなことでも日々の生活習慣の中で実行・継続可能なことをコツコツと積み重ねていくことが健康的に、そしてリバウンドを起こしにくい方法です。
炭水化物抜きダイエットは効果が比較的短期間で現れることが多いので一気に痩せたいという方もいるかもしれませんが、過度に制限せずに食べる量や頻度を調節するなど、ご自身の生活の中で無理なく習慣化できそうな方法を見つけることが成功のポイントです!